50円

今までの人生を振りかえると、パソコンの「電源が入らない」には5つの意味があって
・電源が入らない(コンセントを繋いで電源ボタンを押してもうんともすんとも言わないしアダプタ等の通電ランプも光らない)
・電源が入らない(通電ランプは光っている。でも電源ボタンを押してもうんともすんとも言わない)
・電源が入らない(通電ランプが光っている。ボタンを押すと電源LEDは光るんだけど画面が出ない。ビープ音もならない)
・電源が入らない(BIOS画面が出ない。ビープ音はなる)
・電源が入らない(OSが起動しない。BIOSは正常)


本日引き受けた「電源が入らない」ノートパソコンの修理依頼は一番上のパターンです(笑)
CPUの排気口を塞いだまま使ってたら電源が入らなくなったとか。
正直、直せないと思うけど、ハードディスクのデータの吸いだしついでに修理を試みました。


アダプタのコンセントを差し込んで、アダプタをノートパソコンに差すと、ノートパソコンとアダプタから
「チッ  チッ  チッ  チッ・・・」
って音が。
たぶんアダプタの過電流保護回路が働いて電流を切って、数秒後に投入しての繰り返しが行われてる模様。短絡故障かな?
一応、アダプタの電圧とか、同じ定格のアダプタがあったから交換してみたけど残念。
どうやらノートパソコンの中身がだめらしい。


普通ならここで諦めますが、このノートパソコンの持ち主がYダ電機に持って行ったところ、店員にこんなことを言われたらしい。
要約すると以下の二点です。
1.「ハードディスクが壊れている」
2.「素人には直せない」


1.は明らかナンセンス。それだったら通電ランプは光るはず。なぜなら電源ボタンを押してからハードディスクの電源を入れる(回路的につなぐ)から。ハードディスクがショートモードのような形で壊れていても、電源ボタンを押して起動しようとしない限り通電ランプは光る。
2.で電気工作が好きなだけの素人である自分の何かに火が付きました、スイッチが入りました。


T○SHIBAさんのdynab○ok TX/86○LS
1.まずはばらばらに。その間にハードディスクを抜き出しバックアップ!!。予想道理ハードディスクに問題はなし。
2.マザーボードを取り出す。
3.中身をまじまじ見る。
このマザーボードはブロックごとの電源の配線にジャンパーパッドが引き出されているらしく、検証が非常にしやすかった。
ジャンパーを短絡させているハンダをとれば、そのブロックだけ電源が行かなくなる。
だから怪しいところをとっていって、もしそのとった状態で通電すれば、必然的にそのブロックに問題があることになる。


テスターで探っていくと2か所ほど怪しい場所が。電源回路でございます。
そこのジャンパーをとると見事通電。以下、2状態を確認
1 電源回路の入力のパターンをとって、出力のパターンはそのまま。 → 通電可能
2 電源回路の出力のパターンをとって、入力のパターンはそのまま。 → 通電不可
単純に電源回路がやれている模様。


そのあと、ステップダウンコンバータのMOSFETをとって同じことしたり、正負間の抵抗を測ってみたところ、入力の間近に入ってる4つのチップ積層セラミックコンデンサに行きつく。
外してみたところ通電。調べるとそのうちの2つが短絡モードで故障。
ここのコンデンサは一番CPUファンに近い。熱でやられたか?
大きさと電源電圧から考えると定格は25V 容量は生きてるコンデンサをテスターで測ったところ10uF。
ちょうど同じ在庫がございます。秋月で8個100円。
外している途中に他の2つも壊しちゃったから全部交換。


ええ。これですとも。

左の4つのうち2つが短絡モードで故障。


4.コンデンサの交換
5.通電確認
6.組み立て ← 実はこれが一番大変だった。
7.動作確認


チェックしたところ問題なし。修理完了。


メーカーの大まかな修理の価格を調べてみると、技術料12600円、マザーボード修理(交換?)20034円
新しいの買えちゃうね。ちなみに見積もり取ってキャンセルすると診断料4200円


まさか直るとは思わなかったけど(笑)、直ると人のでもうれしい。
大きめのノートパソコンだったから部品の密集度がそんなになかったのと、やっぱりブロック別電源ジャンパーパッドあったおかげでかなり助かった。


連絡したところ、明日引き取りに来るみたい。


メーカー修理最低価格より99.8% OFF
かなり前にお年玉もらったので、今回は100% OFFにしときます(笑)