思い出は刹那な記憶でしかない。
悪い思い出、いい思い出。やがては忘れる。
だから何度も失敗を繰り返す。過ちを犯す。
だから何度でも進化できる。飛翔できる。


いつか口にした
「生まれ変わってもまた絶対に会いにくる」
も無責任な生まれ変わった自分によって
自身が行方不明になってしまった。

 だから世界が広がる。
 また会いにいける。


「他人に嫌われたくない」
だからやさしくする。顔色を窺う。
本来の自我が薄れていく。
自分が死ぬ。

「自分を傷つけたくない」
他人との関係を拒絶する。
他人の中の自分がいなくなる。存在がなくなる。
自分が死ぬ。


自分が死んだところで期待は絶えない。
「ここは望んでいたところとは違う」


「辛い」「悲しい」「苦しい」
傷ついても傷つけても
生きようと願うものは死なない。
ただしそれは全て自分自身にかかっている。
生半可な覚悟では判断できない。
知らない世界。恐怖に満ちた世界。
だがそれとともに不思議と生まれる好奇心。
その先の期待と希望を求めて


希望は望むものではない、掴むものではない。
希望は自らの手で作るもの。
未来を創ること。



だから生きている。
ずっと生きていく。